豊(ゆたか)会館
- [公開日:2023年9月14日]
- [更新日:2023年9月14日]
- ID:115
北海道松前貿易を繁栄させた近江商人
今から約200年前の江戸時代幕末の頃、一人の青年がここを出て北
海道に渡りました。呉服店の見習いから、柏屋という屋号と又十の商
標の呉服屋を創って独立し、そのかたわら漁場を開いて廻船業まで経
営しました。青年の名前は藤野喜兵衛といい偉大な近江商人の一人
なのです。彼は当時の松前藩から絶対的な信頼を受け、漁場請負いが
許可され、周辺の漁場を一手に引き受けたのです。根室、千島列島全
島の漁場から鮭鱒を捕獲して大阪、兵庫、下関に輸送し販売しました。
しかし、喜兵衛は病にふし、帰郷し44歳の若さで亡くなりました。その
後、彼の業績は代々継がれ、鮭鱒缶詰工場として発展し、「あけぼの
印の缶詰」で知られるようになりました。
会館の建物は、藤野家「又十屋敷」と呼ばれ、喜兵衛の
本宅でした。現在は彼の偉大な業績を偲び、本宅を守る
ことから歴史資料館「豊会館」として開放されています。
当時の書院、本屋、文庫倉庫がほぼそのまま残されてい
ます。また、彦根城主で大老であった井伊直弼公から拝
領した多くの「武具や調度品」が残っています。そのほか
直弼公が来訪した時の数々の秘話を聞けば幕末当時の
ようすが浮かんでくるようです。
豊郷町下枝 電話 0749-35-2356
会館=午前9時から午後4時まで 開館日=当面の間、休館
入館料=大人200円・小・中・高100円